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温めすぎにご注意を!

温めすぎにご注意を!

私は治療に来られた方に「温めすぎは良くないよ」ということを説明させていただきます。それはなぜか?痛いところやつらい部分を温めると血行も良くなるし、なんだかポカポカ気持ちよくて楽になった気がしますよね?

そうなんです。温めるという行為は「気持ち良い」「楽になる」ただそれだけです。
気持ち良いという感覚はリラックス効果もあり悪くはないのですが、それとつらい肩こり、頭痛、腰痛、足の冷えが治るのとは意味が違いますし、温めることを多用している方ほど痛みや冷えが強いのです。

確かにお風呂などで多少温めることに関しては僕も賛成なのですが(当院の治療においても温熱療法はありますし)、暖房の聞いた部屋、コタツ、床暖房、電気毛布…現代社会では身体をぬくぬくと温める=身体や気持ちを甘やかす要素がいっぱいです。

私たち人間の身体は水分を除くとほぼタンパク質で作られています。もちろん筋肉や血管もタンパク質です。例えば精肉を買ってきてお湯に入れて温めたらどうなるでしょう?白く変色し硬くなります。生きている状態では底まではならないですが、温めすぎることにより筋肉や血管、血液にダメージが残るはずです。

それに、人間の身体というのは単純で温めて体温が上がると体温を下げるために汗をかきます。これを体温調節機能といいます。
すると汗をかくと温める前よりも冷えたような感覚になります。するとまた温めて楽になろうとする→汗をかいて冷える→温める→冷える→温める…の繰り返しになり、精神的にも肉体的にも温めずにはいられない身体になってしまいます。(ある意味依存体質)

本来であれば冷えれば筋肉を震わせて熱を作り暑ければ汗をかいて体温を調節する、といういたってシンプルな身体の機能が、暖房のきいた部屋でこたつに足を入れたり電気カーペットの上で寝たり、お風呂に長時間浸かって温まり、寝るときには電気毛布をかぶる。そして外では貼るカイロ…といった行為で衰えてしまっているのが現状です。これは簡単にいえば免疫機能・治癒能力の低下にもつながる身体にとっては何一つ良くない行為なのです。

身体は温める=甘やかす、と自分では血行を良くしたり体温を調節したりという免疫機能を働かせにくくなるのです。(風邪をひきやすい人や冷え性の方は温め過ぎの人が多いです)
それに電気系で温めるものは電磁波の影響で身体に負担をかけるのでご注意ください。
薬同様、簡単によくなるという行為は実は身体に負担をかけていることになるのです。

(柔道整復師 新井良幸 監修)